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自律型チームのつくり方 ~変化の時代に適応するマネジメントとは~ #06

自律型チームのつくり方 ~変化の時代に適応するマネジメントとは~

#06 日常業務のミーティング改革を可能にするSOUNDメソッド

 

激変する環境、テレワーク推進によるコミュニケーションの希薄化、価値観の多様化など、チームマネジメントの難しさが高まり続けています。変化に適応し、メンバーが自ら考えて動くチームになるには何が必要なのか?

「自律型チーム」をつくるためのカギとなる考え方、日々の仕事の中で実践できる手法を全6回シリーズでお伝えします。

 

1.難しさが高まる組織・チームのマネジメント

2.自律型チームに求められるマネジメントスタイル

3.なぜ、主体的なアクションは生まれないのか?

4.自律型チームに欠かせないものとは何か

5.文脈の共有のカギとなるもの

6.日常業務のミーティング改革を可能にするSOUNDメソッド(本記事)

 

 

6.日常業務のミーティング改革を可能にするSOUNDメソッド

前回のコラムでは、自律型チームをつくるカギは、日常業務のミーティングのデザイン(流れ)とファシリテーション(進め方)にあるとお伝えしました。

その一方、私たちの多くが「ミーティング下手」であるのが実情です。

多くの会議が、一方通行の情報伝達や指示で終わってしまいがちです。

では、どのように進めれば良いのでしょうか?

最終回である今回のコラムでは、自律型チームをつくるための対話のステップを構造化した「SOUNDメソッド®」をご紹介します。

 

 

何をどの順番で話し合うのと良いのか?

「SOUNDメソッド®」は、チームでの話し合いを「S・O・U・N・D」という要素に分け、この順番で話していくだけ、という極めてシンプルな対話の手法です。

まずは、話し合う議題(アジェンダ)を設定します。チームで話し合う必要のある課題・テーマであれば、どんな内容でも応用できます。例えば、『当社のビジョンについて』『10年後、人事部はどうなっていたいか?』というような抽象度の高いテーマでも構いませんし、『〇〇プロジェクトの進め方について』『今年の新入社員研修をどうするか?』などのような目の前の具体的なタスクに関することでも構いません。

この議題を「S・O・U・N・D」の順に話し合い、お互いの認識を共有していきます。

 

 

 

現状の認識と感情を受け止め合うことから始める

最初に話し合うのは「S」「Status:現状の見える化と安全な場づくり」です。議題に関することの“現状”を各自がどのように捉えているのかを共有し、共通認識の幅を広げていきます。それぞれの現状認識を共有すると、意外にも「見えていないこと」が多いことに気がつくものです。

そして、議題に関連する「感情・気持ち」も受け止め合います。もし、不安、不満、気がかりなどの「負の感情」がある場合、それも出していきます。人は、取り組むことに対して何らかの不安、不満、気がかりのようなモヤモヤがあると、そのことに心からコミットメントするのは難しくなります。まずは吐き出して「聴いてもらう」ことで、フラットな気持ちを取り戻すことが可能になります。また、チームメンバー間の親近感や心理的安全性も高まってきます。

 

 

一人ひとりの「大切にすること」を話し合う

現状認識が共有できたら、次にやるのは「ビジョンやアウトカム(成果・効果)の共創」です。ここでのビジョンとは、あくまでも「今回の議題」に関することです。この議題に関することを手掛けた先にどうなっていたいのか?という未来のイメージを共に紡いでいくことにより、活動の意味を見出し、チーム内の合意形成の土台を築きます。

この話し合いのポイントは、一人ひとりの「大切にしていること」や「思いや願い」を聴き合うことです。一人ひとりの「大切にしていること」や「思いや願い」が共有されることで、だんだんとチームとしてのビジョンが紡がれていきます。「チームのビジョン」について語るのではなく、あくまでも一人称で話すことが重要です。

このような一人ひとり固有の思いや願いが語り合われ、聴き合うことによって、メンバーの主体性や創造性が引き出されるとともに、チームとしての協働意識やタスクへの当事者意識が醸成されていきます。

 

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変化の激しい時代におけるビジョン共有の意味

現状認識や問題意識を共有したあとに、「ビジョン・アウトカム」について話し合うことには、もう一つ大きな意味があります。

私たちは、何か問題を見つけると、すぐに「解決策」を考え、取り組んでしまいがちです。このことによる副作用は、表面的な解決策によって問題がますます複雑になってしまうということだけではありません。変化の激しい時代においては、次から次に現れる「緊急度の高い問題」の処理に追われ続けてしまうわけです。それによって、現場はますます忙しく疲弊していき、「本当に大切なこと」に取り組む余裕を失っていきます。

そうならないためには、重要度の軸について合意しておく必要があります。「本当に大切なことは何か?」ということを話し合っておくことで、各自が取り組むことの優先順位が明確になっていきます。変化の激しさによって次々と生まれる問題に翻弄され、問題処理に追われ続けないためにも、「大切なことは何か?」というビジョン・アウトカムの共有が極めて重要です。

 

 

コミットメントのある行動を生み出す対話とは

「現状認識」と「ビジョン(ありたい姿)」それぞれが明確になることで、チームとしてビジョンに向かうエネルギーが生まれます。次に行なうことは、具体的なアクション(行動)の計画を立てることです。

変化が激しく正解がない時代には、失敗を恐れず「まず、やってみよう」という行動、つまりトライ&エラーが求められます。しかしながら、精度が低いトライを繰り返すだけでは、エラーの山を築くだけになってしまいます。そのことが、少ない経営資源や余力を奪い、意見の不一致やモチベーションの低下を引き起こすことにもつながります。

「まず、やってみよう」という言葉が、単なる“思い付き”や“妥協の産物”ではなく、話し合いを通じてより精度が高められたものになっているかどうかがカギを握ります。それによって、「これならやれそう!」という自己効力感や「みんなでやり切ろう!」というコミットメントも高まります。

そのような、「精度が高くコミットメントのあるアクションプラン」に昇華していくプロセスが「U:Understand」「N:Negative Check」「D:Drive」です。各パートの詳しい説明は割愛しますが、ポイントは話し合いを通じて「当事者意識」と「視座」が高まっていくことです。

 

 

誰でもできるように「型」をつくる

このような「型」をつくることで、管理職・リーダーの属人的なコミュニケーションスキルに依存しがちであった会議やミーティングを「誰もができる」ようにメソッド化したものが「SOUNDメソッド®」です。

そして、SOUNDメソッド®を対話の場で使いこなすための強力なツールが「SOUNDカード」です。対話を促進する様々な「問い」が収められた、このSOUNDカードを活用することで、誰でも短時間で深い対話が可能となります。

とはいえ、言葉ではなかなか伝わりにくい面もあると思います。「百聞は一見に如かず」ミライバでは、SOUNDメソッドを体験できるセミナーなども開催していますので、もし興味があれば、ぜひご参加ください。

 

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全6回に渡るコラム、お読みいただきありがとうございました。「自律的なチーム」を創っていくことを目指す管理職・リーダー・チームメンバーの皆様に少しでもお役に立てば幸いです。

 

 

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執筆者

株式会社ミライバ ディレクター 岩崎 真也

明治大学政治経済学部卒業。大手アパレル小売業を経て、1997年テンプスタッフ株式会社に入社。社内ベンチャー制度による新規事業責任者等を歴任。2007年テンプスタッフラーニング株式会社 代表取締役社長に就任。様々な分野の専門家とのCo-Creationにより「組織開発」「メンタリング」「アルバイト・パート採用育成」などの分野で今までにない新しい人材開発プログラムを開発するとともに、講師としても多くの企業で研修を実施。

2017年、同社とパーソル総合研究所の統合に伴い、取締役執行役員ラーニング事業本部長に就任。2018年、新規事業の立ち上げ、子会社の経営・マネジメント、会社合併・統合の推進など、これまでの様々な経験を活かし、組織開発領域のコンサルタントとして独立。

2019年株式会社ミライバに参画。「学習する組織」「U理論」「成人発達理論」などの考え方をベースに、新しい時代に求められる組織の在り方を探求し、組織づくりを支援している。