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自律型チームのつくり方 ~変化の時代に適応するマネジメントとは~ #03

自律型チームのつくり方 ~変化の時代に適応するマネジメントとは~

#03なぜ、主体的なアクションは生まれないのか?

激変する環境、テレワーク推進によるコミュニケーションの希薄化、価値観の多様化など、チームマネジメントの難しさが高まり続けています。変化に適応し、メンバーが自ら考えて動くチームになるには何が必要なのか?

「自律型チーム」をつくるためのカギとなる考え方、日々の仕事の中で実践できる手法を全6回シリーズでお伝えします。

 

1.難しさが高まる組織・チームのマネジメント

2.自律型チームに求められるマネジメントスタイル

3.なぜ、主体的なアクションは生まれないのか?(本記事)

4.自律型チームに欠かせないものとは何か

5.文脈の共有のカギとなるもの

6.日常業務のミーティング改革を可能にするSOUNDメソッド

 

 

なぜ、主体的なアクションは生まれないのか?

前回のコラムでは、これまでの時代のマネジメントスタイルとこれからの時代に求められる自律型チームをつくるマネジメントスタイルの違いについてお伝えしました。

しかし、メンバーの主体性を引き出すということは、そう簡単にはいかないものです。今回のコラムでは「どうやってメンバーの主体性を引き出すのか」を考えるためにも、「なぜ、主体的なアクションは生まれないのか?」という視点から探求していきたいと思います。

 

「会議で黙ってしまう」のはなぜ?

まずは「主体的なアクション」の代表例として、「会議で積極的に発言する」という題材で考えてみましょう。このコラムをお読みいただいている皆さんにも、会議で積極的に発言した経験がおありになる一方で、「自分の意見を言おうとしたけど、発言するのを控えた」ような経験もあるのではないでしょうか。

 

ぜひ、そのような「思わず発言を控えた場面」を思い出してみてください。なぜ、発言を控えてしまったのでしょうか?

 

 

土台となるのは「心理的安全性」

まず考えられるのは、次のような心理的な抵抗です。

 

・反対意見を言ったら、その人の気分を害してしまうのではないだろうか?

・間違ったことを言ったら、恥をかいてしまうのではないだろうか?

 

このような心理的な抵抗を生みやすいチームの状態は、「心理的安全性が低い」状態であると言えます。

「心理的安全性」とは、ハーバード・ビジネススクールのエイミー・エドモントソン教授によると「対人関係のリスクを負うことに対して安全であるという、チームに共有された信念」と定義されています。この心理的安全性を高めていくことは、メンバーの主体的な発言や行動を引き出すうえで極めて重要です。率直で自由な発言が生まれやすく、失敗を恐れずにチャレンジすることができるムードを作っていくことは、主体性を発揮するための土台となるものでしょう。最近、多くの企業で心理的安全性を高める取り組みに力を入れようとしているのも頷けます。

 

しかし、この心理的安全性を高める「だけ」で主体的なアクションは生まれるのでしょうか?

 

 

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「当事者意識」がないとアクションは起きない

たとえ「心理的安全性」は高くても、次のような気持ちになって発言を控えたことはないでしょうか?

 

・私には関係ない問題なので、あんまり首をつっこみたくないなあ・・・

・意見を言うと、自分の仕事が増えちゃうかも・・・

・どうせ私が言っても、何も変わらないだろう・・・

 

これは、仕事やチームに対する「当事者意識」の問題と言えそうです。当事者意識が高ければ、「自分がなんとかしよう/したい」と思うでしょうし、当事者意識が低いと「自分がやらなくても・・・」となるでしょう。組織やチームの問題に対して、自分からアクションは起こさない一方で、評論家的な発言や他責的な発言をしているときも当事者意識が低い状態と言えるでしょう。

 

この「当事者意識」をいかに高められるかが、チームメンバーの主体的な行動や発言を生み出すカギの一つとなります。

 

見落とされがちな「文脈の共有度」

それに加えて、次のように感じて発言を控えたことはないでしょうか?

 

・いま私の言おうとしていることは、この場で価値があることなのだろうか?

・すでに話されたり、検討されたりしているのではないだろうか?

・「的外れ」なことを言ってしまうのではないのだろうか?

 

このように、この場で求められていることや、これまでの経緯や背景に対する理解が足りないと感じているときには、発言しにくいものです。つまり「文脈」への理解度が発言のしやすさに大きく影響しているということです。

 

このことは、会議での発言だけではなく、主体的なアクションを起こすこと全般に言えることです。例えば、人事異動や中途入社などで慣れない職場で働いたときのことを思い出してみてください。チームや組織が何を目指しているのか?メンバーに何を求めているのか?何を大切にしているのか?どんな人がどんな役割で関わっているのか?それぞれの人はどんなキャラクターなのか?などなど、情報が増えれば増えるほど「動きやすく」なりますよね。

 

つまり、「文脈の共有度」の高さが主体的行動を左右しているわけですが、このことは見落とされてしまいがちです。

 

 

このように、メンバーの主体性な行動を引き出すためには、「心理的安全性」に加え、「当事者意識」と「文脈の共有度」を同時に高めていくことが必要だということが見えてきました。

次回のコラムでは、この「文脈の共有度」にフォーカスを当て、「何が共有されている必要があるのか?」などについて、もう少し解像度を上げて見ていきたいと思います。

 

 

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執筆者

株式会社ミライバ ディレクター 岩崎 真也

明治大学政治経済学部卒業。大手アパレル小売業を経て、1997年テンプスタッフ株式会社に入社。社内ベンチャー制度による新規事業責任者等を歴任。2007年テンプスタッフラーニング株式会社 代表取締役社長に就任。様々な分野の専門家とのCo-Creationにより「組織開発」「メンタリング」「アルバイト・パート採用育成」などの分野で今までにない新しい人材開発プログラムを開発するとともに、講師としても多くの企業で研修を実施。

2017年、同社とパーソル総合研究所の統合に伴い、取締役執行役員ラーニング事業本部長に就任。2018年、新規事業の立ち上げ、子会社の経営・マネジメント、会社合併・統合の推進など、これまでの様々な経験を活かし、組織開発領域のコンサルタントとして独立。

2019年株式会社ミライバに参画。「学習する組織」「U理論」「成人発達理論」などの考え方をベースに、新しい時代に求められる組織の在り方を探求し、組織づくりを支援している。